トレーニングの機会が非常に多く
流れを掴むのに非常に有用な研修でした

嵩原医師 / 研修生

PEOPLE

琉球大学病院にて精神科医師をしております、嵩原と申します。
私は令和元年9月より3ヶ月にかけ、愛知医科大学病院にててんかん臨床を中心に研修させていただきました。

縁あって愛知医科大学での研修へ

私はそれまで幅広い場面での精神科臨床に取り組んでおりましたが、てんかん臨床あるいは脳波については疑問が募るばかりでした。例えば大学病院においてPNESへのアプローチあるいはNCSEの複雑な概念に頭を悩ませ、あるいは医療過疎地域の外来にて高齢発症てんかんの診断に苦しみ、更に脳波を習熟する機会に欠けておりました。これらは精神科臨床医として避けられない課題と感じておりましたが、どうにも身近に指導者が少なく同僚達も同じように悩んでおりました。いっそ自身が勉強して周囲を指導したいという思いを抱いていたところ、縁あって研修の機会に恵まれました。

研修初日から専門機関としてのハード面や運営の違いに驚くことになりました。例えば外来には脳波検査が可能な部屋が備えられています。病棟のカンファではカメラ付きの部屋が何床空いているか、という話題が当然のように行われます。そして何より羨ましく感じたのがトレーニングの機会が非常に多いことです。院内での週1回の脳波判読会、症例検討会を始め、他の医療機関とも連携し月に1回以上は症例検討や勉強会の機会がありました。てんかんを専門にしている医療者がどのような考え方で臨床に取り組んでいるのか、私のような初学者がその空気感・流れを掴むのに非常に有用でした。

精神科臨床の専門機関ならではの経験

研修は若手医師のスケジュールに準じるように組んでいただきました。多くの割合を占めたのはてんかん専門外来の陪席・補助でした。いわゆるベシュライブという精神科の伝統的な研修方法だと思いますが、私は存外、そのようなスタイルの研修を受ける機会に乏しかったので、新鮮で多くの学びを得られました。大変忙しい外来でしたが、指導医の先生方は初歩的なところからポイントを教えてくださいます。一般精神科では考えられない物量のてんかん症例、具体的には毎日1~数人の新患がありましたので、てんかん初診患者に対する考え方、アプローチ方法を学ぶには非常に効率的でした。私の研修が短期間だったからか、指導は「精神科医としてのてんかん臨床」に重点がおかれていた印象があります。例えば脳波のアーチファクトの一つ一つと睨めっこして・・・という私の想像とは違い、臨床にすぐに活かせることばかり(患者にどのように説明しているか?診断書をどのように記載しているか?など)を実践的に学ぶことができました。また本題からは外れますが、専門外来を担っている兼本教授はてんかんに限らず精神科臨床全般において熟達されており、その精神療法のあり方を間近で触れることができた経験は、非常に貴重な副産物でした。日々充実しており、施設を跨いだ研修で懸念される「お客さん的立場」で退屈して不全感が募る、ということはありませんでした。

雰囲気もよく、多くの学びが得られた研修

もし愛知医科大学病院での研修を考えている方がいらっしゃったら、特に心配することはないとお伝えしたいです。期待以上に多くの学びが得られるという点もそうですが、驚くほどWelcomeな雰囲気のある医局です。兼本教授はこちらが戸惑ってしまうほど若手医師にフランクに接してくださいます。研修に関わるサポートも大変手厚く、医局長には「どこを最寄り駅として住居を探したほうがいいか」というレベルの質問でも丁寧に対応していただきました。
私の短期間の研修でてんかん臨床に熟達できたとは言えませんが、それでも古巣に戻ってからの臨床・研究・教育、そして今後のキャリアプランの道標にこの度の研修は非常に強く活かされております。またどうにか機会を作り年単位での研修を申し込めないか、と胸に秘めているところです。
最後に、私の研修に関わっていただいた皆様に心から感謝致します。また、この拙文が何かの御参考になれば幸いです。

琉球大学病院 精神病態医学講座
助教 嵩原駿平

MEMBER先輩紹介

WELCOME!!病院見学に来ませんか?

病院見学は随時募集しております。
日程などはこちらのエントリーフォームより
ご相談ください。

病院見学に来ませんか?