大島医師 / 2003年入局
PEOPLE
私は2003年に当教室に入局しました。当教室に入局する決め手となったのは自由な雰囲気とサブスペシャリティ取得の際の教室のサポート体制です。
さまざまなニーズを満たす教室
当教室は教授である兼本先生の方針で、非常に自由な雰囲気を持っています。もちろん大学附属病院の医局として、当直等必要最低限の決まった業務はあります。しかし、基本的には自らが学びたいと思うことができるよう、教室側が全力でサポートしてくれるような体制です。また、「精神科のジェネラリストを育成する」というキャッチコピーにもあるように、当教室では入局するとまず手始めに精神科領域を網羅的に学ぶことができます。そのため、具体的なサブスペシャリティに迷っている方や、地域医療に貢献するためなど、幅広い精神科領域を網羅的に学びたい方にもおすすめしたい教室です。
私自身は、何かサブスペシャリティを持ちたいという気持ちをもともと持っていました。しかし、自分が具体的に何に興味を持っているのかわからないという状態で入局しました。そのなかで、てんかんをサブスペシャリティに選んだ理由は、教授の兼本先生がそれをご専門にされており、先生から学ぶうちにてんかんに非常に興味を持ったからです。
てんかんの奥深さを知る
てんかんは奥深い疾患です。たとえば「てんかん」と聞くと基本的な症状として「けいれん」を思い浮かべる方が多いと思います。私自身も最初はそのような認識で診療を行っていました。しかし、なかには一見するとてんかん発作ではないように見える症状もあるということがわかりました。
その患者さんは、他の病院でうつ病を疑われていました。しかし、うつ病の治療を行ってもあまり効果がなく、あるときは活発に走り回って笑顔をみせるなど、うつ病らしからぬ兆候もみられました。有効な治療がなく困り果てた私は、教授のアドバイスによりその患者さんの脳波を計測してみることにしました。すると、なんとてんかん特有の脳波がみられたのです。この患者さんにてんかんの治療薬を投与したところ、効果があり、症状が和らぎました。これらの経験から、一見するとてんかん発作ではないように見える症状もあるということを学びました。
このように網羅的に精神科領域の疾患を学びながら、てんかんを兼本先生に学んだ私は、入局から5年目に静岡てんかん神経医療センターへの国内留学も行いました。静岡てんかん神経医療センターでは、臨床・研究を行っている多くの先生方と出会い、非常によい刺激を受けました。
指導医として、後進の指導にも当たる
2018年現在、私は愛知医科大学附属病院に戻り、てんかんの臨床などを中心に診療にあたっています。入局から17年、当教室や他の医療機関での経験を活かし、現在は指導医としても忙しい日々を送っています。
当教室は、自分のペースにあわせて自由に学ぶことができます。今後は自身の臨床・研究だけでなく、後進の医師をサポートし、その人のニーズに合わせたプログラムを用意していきたいと思っています。